日本ではあまり知られていないかもしれないが、
長年の研究の中から生まれたユニークで、ちょっと笑える研究に対して贈られる賞。
イグノーベル(Ig Nobel)、の Ig というのは、「下等な、下品な、見下げた」という意味だが、
有名な Nobel 賞と比較や対抗するのではなく、
世の中にはこんな素晴らしい研究もある、ということを知らしめるための賞でもある。
受賞した研究はちょっと笑えるのが多いが、その研究内容を知ると、
笑いの中に科学の本質が見え、納得させられるものが多く、
これを受賞した研究の発表を毎年楽しみにしている。
今年受賞したのは「シマウマ」ならぬ「シマウシ」。
何?
シマウマのように縞模様を描いたウシの研究。
シマウマにはアブなどの虫が寄り付きにくい事から、
ウシに白の縞模様を描いたら、
普通の牛に比べ、とまる虫の数が半減したのだそう。
特にアブなどの血を吸う虫は、
その痛みや痒みが牛にとって大きなストレスとなり、
追い払うのに、首や尻尾を振ることで体力を消耗。
そして感染症の防止や殺虫剤の軽減にもなったとか。
縞模様のウシを見たら、何これ、と吹き出してしまいがちだが、
その研究の内容を見ると、納得させられる。
この研究から、そのうち遺伝子組み換えなどで、
本当に縞模様の牛が出てくるかも、なんて考えてしまうが。
日本のイグ・ノーベル賞受賞が多いのは、
日本人は独創性、発想力や手法の斬新さ、それを実行する実現力を持っていること。
また日本社会は、少し変わった人に対する寛容さと共に、
その方に対し、誇りを抱く文化的背景があるのかも、と言われる。
ノーベル賞はそのレベルが高すぎて、理解不能のものが多いが、
イグ・ノーベル賞を受賞している研究は、
身近で興味深い研究が多く、
科学というものに興味が湧いてくる。
「カラオケ」、そして大ブレイクした「たまごっち」も、過去にイグ・ノーベル賞を受賞している。
以下は私的に興味深い日本人の受賞研究。
※ 鳩を訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功。
※ 犬語翻訳機バウリンガルで、人と犬に平和と調和をもたらす研究。
※ 131 種類の蛙がストレス時に出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化。
「においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査」
※ 牛の排泄物からバニラの香り成分バニリンを抽出。
※ 単細胞生物の真正粘菌にパズルを解く能力があったことを発見。
※ パンダの排泄物から採取したバクテリアで、台所の生ゴミを90パーセント以上削減。
※ 緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさび濃度の発見と、
これを利用したわさび警報装置の開発。
※ 心臓移植をしたマウスにオペラの『椿姫』を聴かせると、
モーツアルトなどを聴かせたマウスよりも、拒絶反応が抑えられ、生存期間が延びた。
※ 床に置かれたバナナの皮を踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究。
※ へリュームガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見
などなど、長い年月をかけてなされたユニークで興味深い研究ばかり。
これからの日本人科学者たちの研究に期待しているが、
楽しませていただきたい。
コメント